マイクロ事業診断士 解答例 新事業開発2
事例企業の概要
Eさんは、地方都市に拠点を置く、創業10年の個人事業主。
主に地元特産品を活用した食品加工品を製造・販売しており、近年ではインターネット通販を通じた販路拡大に注力している。
しかしながら、競争が激化する中、売上は横ばいであり、利益率の低下が課題となっている。
Eさんの強みは、地元農家との長年の信頼関係に基づく安定した原材料調達と、独自の製造技術による高品質な製品である。
一方、弱みとしては、個人事業主特有のリソース不足やマーケティング戦略の未熟さが挙げられる。
Eさんは、これらの課題を解決し、新規事業開発を通じて成長を目指したいと考えている。
以下の質問に答え、Eさんが持続的な成長を実現するための、新規事業開発戦略を提案してください。
解答例
- Q.1.鈴木氏が対象とする顧客層(個人企業や小規模事業者)の具体的なニーズを分析し、これらのニーズに応えるためにどのような価値を提供すべきかを明確にせよ。A.対象顧客層のニーズ
・財務管理の効率化: 手間を省きつつ正確な財務データを得たい。
・リスクの把握と軽減: 資金繰りや投資のリスクを適切に管理したい。
・意思決定のサポート: 経営戦略に沿った財務的なアドバイスが欲しい。
提供すべき価値
・簡単に利用できる財務ツールの導入支援。
・明確でわかりやすい財務分析レポート。
・定期的な財務コンサルティングセッション。 - Q.2.競合となる他の財務コンサルティングサービスと差別化するため、鈴木氏が提供できる独自のサービス内容やアプローチを提案せよ。
また、それらが顧客に与える効果を説明すること。A.差別化ポイント
・デジタル化の活用: クラウド型ツールを活用したリアルタイムの財務状況の可視化。
・教育型アプローチ: 財務知識を共有し、顧客自身が理解を深められるプログラムの提供。
・地域密着型サービス: 地域の商工会議所や中小企業支援機関との提携による信頼構築。
効果
・顧客が自信を持って意思決定を行える環境を提供。
・他社よりも迅速で、個別対応が可能。 - Q.3.鈴木氏が事業を持続可能にするために、具体的なサービス提供モデル(例: 定期的な財務レポート作成、オンライン相談サービス、財務セミナーの開催など)を提案せよ。
また、収益性や効率性を考慮した上で、どのような仕組みが最適かを示すこと。A.提案するモデル
・定期的なオンライン財務チェックイン: 月次で顧客と財務状況を確認。
・オンデマンド型レポート作成: 必要なタイミングでの詳細な財務分析レポートの提供。
・ウェビナーやワークショップの開催: 財務知識を深めるためのオンラインセミナー。
効率性と収益性
・サブスクリプションモデルで継続的な収益を確保。
・デジタルツールを活用することで運用コストを削減。 - Q.4.鈴木氏がターゲット顧客にサービスを効果的に届けるためのマーケティング戦略を設計せよ。
特に、オンラインとオフラインの手法をどのように組み合わせるべきかを具体的に示すこと。A.オンライン手法
・LinkedInやTwitterでの専門的なコンテンツ発信。
・ウェブサイトやブログで事例紹介や有用な情報を提供。
オフライン手法
・地域イベントや商工会議所のセミナーで直接的な接触。
・顧客紹介キャンペーンの実施。
オンラインとオフラインの組み合わせ:
・オフラインイベント参加者をオンラインプラットフォームに誘導し、長期的な関係を構築。 - Q.5.鈴木氏が新規事業の成功を測定するために設定すべき具体的な指標(KPI)を提案せよ。
また、これらの指標が事業の進捗や成功をどのように評価するのに役立つかも説明すること。A.提案する指標
1.新規顧客獲得数: 月ごとの新規契約数。
2.継続率: サービスを継続利用する顧客の割合。
3.顧客満足度: 定期的なアンケートスコア。
4.平均顧客単価: 顧客1人あたりの収益。
5.顧客の財務改善事例: 実際に改善が見られた顧客の数や成功事例。
指標の活用
・サービスの質と価値を可視化し、マーケティング戦略やサービス改善に役立てる。
合格ライン:45/100点
2024/12/9